[bisen-OB ガンちゃんのアート探訪] 渋谷美求・矢崎勝美展
bisen-OB会員「ガンちゃん」による不定期コラムコーナーです。

「ガンちゃん」
猪股岩生 ~ グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。
屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。
絵画工房gan-gan 代表。

「ガンちゃん」
猪股岩生 ~ グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。
屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。
絵画工房gan-gan 代表。
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展覧会名:渋谷美求・矢崎勝美展
会場:さいとうGallery
札幌市中央区南1条西3丁目1番地ラ・ガレリア5F
会期:2013年2月26日~3月3日
会場:さいとうGallery
札幌市中央区南1条西3丁目1番地ラ・ガレリア5F
会期:2013年2月26日~3月3日
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本日は日本美術家連盟会員の版画作品の2人展を鑑賞しました。


お二人とも札幌生まれの美術家で、技法も表現も違い、楽しめた。

矢崎勝美氏の作品は、以前、札幌時計台ギャラリーでCOSMOSシリーズを拝見した事がある。
その時も画面に広がる空間と、光を感じる表現が印象的だったが、
今回も方眼をベースにした幾何的な表現の中に、光の眩しさすら感じる色彩の具象感と、奥行きのある画面構成は素晴らしい。

どこか作品に軽妙さと現代性を感じるのは、デザインの分野でも幅広く活動されていた為だろうか。
(少しお話をさせて頂いたが、何とBisenの黎明期で講師をされていたとの事!!)

渋谷美求氏の作品の紙に藍染めをしたかの様な画面は重厚な印象を受ける。
何かを象徴化した印象を受ける人物がメインのモチーフになっていて、その画面構成の意図はお伺いしなかったので真意はわからないが、人物の頭部などから伸びた形象は画面に不思議な動感と物語性を与えている。

立体的な作品は、銅版画を切り抜いた紙を立体化したとの事で、その深みのある質感と、幾何的なシンプルさとの対比が心地よく融合していて、造形として味わい深い作品となっていた。
版画は非常に奥の深い技法であると改めて思う・・・・

懺悔・・・・
私は時々、版画の作品展でちょっとしたいたずらを仕掛ける。
それはシルクスクリーン版画作品の中にインクジェットプリントを使った作品を紛れ込ませる事である。
勿論、来場された方の鑑賞眼を試している訳でもなく、まして手を抜こうとしている訳でもない。
作品の善し悪しは技法の違いではなく純粋に目の前にある作品そのものがどうであるか?
その反応を知りたい・・・純粋にそういう思いから来る私なりのささやかな冒険である。
時折、「これシルクですよね?」という質問を受ける事があるが、
事の顛末を説明するのが億劫なので「そうです」と言ってしまう事が多い。
(そう返事をしてしまった全ての方にこの場を借りてお詫びします。)
勿論インクジェットプリントした「作品」は、基データは勿論の事、使用用紙、プリント方法は、私なりにその作品にとって最善と思う方法を熟考の上、制作している。5.6回重ねてプリントする事も常である。
出来上がった作品は勿論、私の一点しか存在しないオリジナルであると思っている。一番大切な事はその
表現に一番あった技法を選択する事だと思う。(確かにシルクにくらべ質感的には今イチではあるが・
・・・)
もう数十年前になるかも知れないが、
ある美術雑誌で、アメリカの画家が手描きで何の変哲もないアパートを、
写真で撮ったかの様なアングルでリアルに描いた作品展を開き、
誰も手描きだとは気づかず終了し、
後に手描きであった事が知れ、大変話題になった・・・そんな記事を読んだ事があった。
その画家が何故そんな手の込んだ個展を開いたかの真意は
その記事では分からなかったが、
作品の真の善し悪しは技術が凄いとか、手間を掛けたかとは無縁である・・・当然自分の作品は手間をかけた駄作である・・・そう言いたかったのではと?それが証拠に写真展としては誰も感動しなかったから・・・・


お二人とも札幌生まれの美術家で、技法も表現も違い、楽しめた。

矢崎勝美氏の作品は、以前、札幌時計台ギャラリーでCOSMOSシリーズを拝見した事がある。
その時も画面に広がる空間と、光を感じる表現が印象的だったが、
今回も方眼をベースにした幾何的な表現の中に、光の眩しさすら感じる色彩の具象感と、奥行きのある画面構成は素晴らしい。

どこか作品に軽妙さと現代性を感じるのは、デザインの分野でも幅広く活動されていた為だろうか。
(少しお話をさせて頂いたが、何とBisenの黎明期で講師をされていたとの事!!)

渋谷美求氏の作品の紙に藍染めをしたかの様な画面は重厚な印象を受ける。
何かを象徴化した印象を受ける人物がメインのモチーフになっていて、その画面構成の意図はお伺いしなかったので真意はわからないが、人物の頭部などから伸びた形象は画面に不思議な動感と物語性を与えている。

立体的な作品は、銅版画を切り抜いた紙を立体化したとの事で、その深みのある質感と、幾何的なシンプルさとの対比が心地よく融合していて、造形として味わい深い作品となっていた。
版画は非常に奥の深い技法であると改めて思う・・・・

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懺悔・・・・
私は時々、版画の作品展でちょっとしたいたずらを仕掛ける。
それはシルクスクリーン版画作品の中にインクジェットプリントを使った作品を紛れ込ませる事である。
勿論、来場された方の鑑賞眼を試している訳でもなく、まして手を抜こうとしている訳でもない。
作品の善し悪しは技法の違いではなく純粋に目の前にある作品そのものがどうであるか?
その反応を知りたい・・・純粋にそういう思いから来る私なりのささやかな冒険である。
時折、「これシルクですよね?」という質問を受ける事があるが、
事の顛末を説明するのが億劫なので「そうです」と言ってしまう事が多い。
(そう返事をしてしまった全ての方にこの場を借りてお詫びします。)
勿論インクジェットプリントした「作品」は、基データは勿論の事、使用用紙、プリント方法は、私なりにその作品にとって最善と思う方法を熟考の上、制作している。5.6回重ねてプリントする事も常である。
出来上がった作品は勿論、私の一点しか存在しないオリジナルであると思っている。一番大切な事はその
表現に一番あった技法を選択する事だと思う。(確かにシルクにくらべ質感的には今イチではあるが・
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もう数十年前になるかも知れないが、
ある美術雑誌で、アメリカの画家が手描きで何の変哲もないアパートを、
写真で撮ったかの様なアングルでリアルに描いた作品展を開き、
誰も手描きだとは気づかず終了し、
後に手描きであった事が知れ、大変話題になった・・・そんな記事を読んだ事があった。
その画家が何故そんな手の込んだ個展を開いたかの真意は
その記事では分からなかったが、
作品の真の善し悪しは技術が凄いとか、手間を掛けたかとは無縁である・・・当然自分の作品は手間をかけた駄作である・・・そう言いたかったのではと?それが証拠に写真展としては誰も感動しなかったから・・・・
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ガンちゃん こと 猪股岩生