【bisen-OBを訪ねて】第11回・林啓一さん
シリーズ「OBを訪ねて」第11回は、12期産業デザイン卒業の林啓一さんをご紹介いたします。
林さんは、前回ご紹介した同期のキャラクトレーター・本明ゆうじさんと、スタジオジンバルを立ち上げ、札幌市中央区でH2ギャラリーを共同で運営されています。
左・林啓一さん、右・本明ゆうじさん。
ここでは作品展示はもちろん、お二方のオリジナルグッズを販売しています。
l 仕事内容
「ペーパークラフト作家です。」
林さんのペーパークラフト作品は、見るものを「あっ!」と驚かせるほど緻密なパーツの組み合わせでできています。
元気な子どもがメインになっている作品が多く見受けられます。林さんが子どもの頃の風景がそのまま抜き出されているのでしょうか。
ペーパークラフト作品は、ポストカードとして販売しています。
苫小牧市博物館での「北のマッチアート展」にも出品(2010,2011年)。
本明さんとのコラボ作品もあります。
ギャラリーの入り口では、腰を振る「カラクリ紙少年」がお出迎え(o^∇^o)ノ
l 卒業後の経歴
主に印刷関係の会社をあちこち渡り歩く。
当時バンド(ベース担当♪)をやっていたこともあり、楽器屋にいたことも。
1990年にフリーで事務所を持ち、シール作りをメインにデザイン業を始める。
忙しい仕事が途切れた際の暇つぶしに、身近にあった紙で立体作品を作ってみたら、意外とうまくいって楽しかったのがペーパークラフトを始めるきっかけだった。
工作少年だった頃を思い出しながら作品作りにのめり込み、初個展で多数の来場者から好評を得て、本格的にペーパークラフト作家として歩み始めたのは4年後の1994年。
それからも林さんは、
2000年、テレビ東京系列『たけしの誰でもピカソ』番組内、アートバトルに初出場でメダル獲得!続く2001年5月11月出場でもメダル獲得!(すごいです!)
2005年5月~2006年6月、東京都消費生活総合センター発行『東京くらしねっと』表紙作品提供。
2010年8月~9月、苫小牧市博物館主催特別展示『紙をつくる紙で作る』作品展示およびワークショップ開催。
ほか、個展、企画展多数開催。
「企業との契約など、経験して知った問題も2人で組んだらお互いフォローできるのではないか?」というのが、本明さんとスタジオジンバルを立ち上げるきっかけに。
そして、ジンバルが運営する「H2Gallery」は発表の場であり、製作モードになれる場所になっている。
l 仕事で大切にしていること
年々変わっているが、最近は「こびないこと」
見る人にこびないモノ作り。(「こびる」ということは作品に説明をつけること。)
以前は作品にストーリー性を持たせていたが、なるべく意味を持たせないように、作品そのものを受け止めてもらえる作りにしている。
「忘れかけていた素朴な生活。今では懐かしく思う。ふとした瞬間をできるだけシンプルな形で作品に閉じこめようと心がけている。」
図面の一つを見せていただきました。
「図面を描くときが一番楽しい。自由だから。」と、語る林さん。
精密な設計図で、計算式もあります!計算のために三角関数の勉強をし直したそうです。紙の厚みも考慮!
照明や機械仕掛けの電気配線図もあり。アクリルのケースも自作です!
とことん追求し、貫いている感があります。
作品中の文字やライン全て、紙を切り貼りして作られているというので驚きです!!
ぜひ、H2ギャラリーで実際の作品を間近でご覧いただきたいです!
製作過程の様子は、林さんのホームページでも詳しく掲載されています。
■K.Hayashi's Paper Gallery→ http://st-gimbal.com/papergallery/
l 今後のVision
「質を落とさず、作り続ける。」
歳をとって不器用になってきているし、作らないでいると罪悪感が…。個展もやらなくちゃ…とも思う。
美術館など公的な機関に働きかけて、(ワークショップを含めて)発表していきたい。
どういう方向に行くか…今はじっくり考えているところ。
l 学生、後輩に向けてのメッセージ
「パソコンばかりやってないで、いろんな経験を!」
これから作家を目指す人もいると思うが、いろいろ見て、聞いて、実際に経験して。手を動かして。パソコンは「道具」として考えればいいものである。
技量がないと上手に形にもできないから、技量を磨くことも大切。
オリジナリティかソフトかは、プロの目にはすぐにわかってしまう。
しかし、最近はちょっと若い人を尊敬している。若い友達も増えたし、尊敬できる人がいっぱいいる。私も歳をとって、視野が広がってきたのか、だんだん若い人のやっていることが理解できるようになってきた。
l 座右の銘
「π(パイ)=3.1415マデ」
ずばり、物作りに対する私の信条を表します。
通常πは3.14で計算すれば充分です。
しかしそこで満足せず、理想の形に向かってもう一歩(桁)、二歩と、突き詰めて努力しよう。そんな簡単な意味です。
計算ばかりしているうち、数式が座右の銘になったようです。
ちなみに、普段の計算は3.1415まで、癖である念仏系独り言が「πは3.1415‥」です。
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*お知らせ*
8月より、林さんの特集番組がオンデマンドでの本格配信がはじまりました!
制作風景や、カラクリ作品、ワークショップ等が動画でご覧になれますよ(^∀^)
テレビ局 : 北海道テレビ放送
タイトル : 北海道onデマンド「からくりカラコロ」林啓一編/全4話
番組URL : http://hod.htb.co.jp/p/pg_kk/
※無料会員登録でご覧になれます。
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所在地
H2Gallery/エイチ・ツー・ギャラリー http://st-gimbal.com/h2gallery/
札幌市中央区南1条12丁目北向き
取材記事 菅原25期
写真
構成 齊藤33期
左・林啓一さん、右・本明ゆうじさん。
ここでは作品展示はもちろん、お二方のオリジナルグッズを販売しています。
l 仕事内容
「ペーパークラフト作家です。」
林さんのペーパークラフト作品は、見るものを「あっ!」と驚かせるほど緻密なパーツの組み合わせでできています。
元気な子どもがメインになっている作品が多く見受けられます。林さんが子どもの頃の風景がそのまま抜き出されているのでしょうか。
ペーパークラフト作品は、ポストカードとして販売しています。
苫小牧市博物館での「北のマッチアート展」にも出品(2010,2011年)。
本明さんとのコラボ作品もあります。
ギャラリーの入り口では、腰を振る「カラクリ紙少年」がお出迎え(o^∇^o)ノ
l 卒業後の経歴
主に印刷関係の会社をあちこち渡り歩く。
当時バンド(ベース担当♪)をやっていたこともあり、楽器屋にいたことも。
1990年にフリーで事務所を持ち、シール作りをメインにデザイン業を始める。
忙しい仕事が途切れた際の暇つぶしに、身近にあった紙で立体作品を作ってみたら、意外とうまくいって楽しかったのがペーパークラフトを始めるきっかけだった。
工作少年だった頃を思い出しながら作品作りにのめり込み、初個展で多数の来場者から好評を得て、本格的にペーパークラフト作家として歩み始めたのは4年後の1994年。
それからも林さんは、
2000年、テレビ東京系列『たけしの誰でもピカソ』番組内、アートバトルに初出場でメダル獲得!続く2001年5月11月出場でもメダル獲得!(すごいです!)
2005年5月~2006年6月、東京都消費生活総合センター発行『東京くらしねっと』表紙作品提供。
2010年8月~9月、苫小牧市博物館主催特別展示『紙をつくる紙で作る』作品展示およびワークショップ開催。
ほか、個展、企画展多数開催。
「企業との契約など、経験して知った問題も2人で組んだらお互いフォローできるのではないか?」というのが、本明さんとスタジオジンバルを立ち上げるきっかけに。
そして、ジンバルが運営する「H2Gallery」は発表の場であり、製作モードになれる場所になっている。
l 仕事で大切にしていること
年々変わっているが、最近は「こびないこと」
見る人にこびないモノ作り。(「こびる」ということは作品に説明をつけること。)
以前は作品にストーリー性を持たせていたが、なるべく意味を持たせないように、作品そのものを受け止めてもらえる作りにしている。
「忘れかけていた素朴な生活。今では懐かしく思う。ふとした瞬間をできるだけシンプルな形で作品に閉じこめようと心がけている。」
図面の一つを見せていただきました。
「図面を描くときが一番楽しい。自由だから。」と、語る林さん。
精密な設計図で、計算式もあります!計算のために三角関数の勉強をし直したそうです。紙の厚みも考慮!
照明や機械仕掛けの電気配線図もあり。アクリルのケースも自作です!
とことん追求し、貫いている感があります。
作品中の文字やライン全て、紙を切り貼りして作られているというので驚きです!!
ぜひ、H2ギャラリーで実際の作品を間近でご覧いただきたいです!
製作過程の様子は、林さんのホームページでも詳しく掲載されています。
■K.Hayashi's Paper Gallery→ http://st-gimbal.com/papergallery/
l 今後のVision
「質を落とさず、作り続ける。」
歳をとって不器用になってきているし、作らないでいると罪悪感が…。個展もやらなくちゃ…とも思う。
美術館など公的な機関に働きかけて、(ワークショップを含めて)発表していきたい。
どういう方向に行くか…今はじっくり考えているところ。
l 学生、後輩に向けてのメッセージ
「パソコンばかりやってないで、いろんな経験を!」
これから作家を目指す人もいると思うが、いろいろ見て、聞いて、実際に経験して。手を動かして。パソコンは「道具」として考えればいいものである。
技量がないと上手に形にもできないから、技量を磨くことも大切。
オリジナリティかソフトかは、プロの目にはすぐにわかってしまう。
しかし、最近はちょっと若い人を尊敬している。若い友達も増えたし、尊敬できる人がいっぱいいる。私も歳をとって、視野が広がってきたのか、だんだん若い人のやっていることが理解できるようになってきた。
l 座右の銘
「π(パイ)=3.1415マデ」
ずばり、物作りに対する私の信条を表します。
通常πは3.14で計算すれば充分です。
しかしそこで満足せず、理想の形に向かってもう一歩(桁)、二歩と、突き詰めて努力しよう。そんな簡単な意味です。
計算ばかりしているうち、数式が座右の銘になったようです。
ちなみに、普段の計算は3.1415まで、癖である念仏系独り言が「πは3.1415‥」です。
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*お知らせ*
8月より、林さんの特集番組がオンデマンドでの本格配信がはじまりました!
制作風景や、カラクリ作品、ワークショップ等が動画でご覧になれますよ(^∀^)
テレビ局 : 北海道テレビ放送
タイトル : 北海道onデマンド「からくりカラコロ」林啓一編/全4話
番組URL : http://hod.htb.co.jp/p/pg_kk/
※無料会員登録でご覧になれます。
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所在地
H2Gallery/エイチ・ツー・ギャラリー http://st-gimbal.com/h2gallery/
札幌市中央区南1条12丁目北向き


