[bisen-OB ガンちゃんのアート探訪]新千歳空港 マジカルロード
bisen-OB会会員「ガンちゃん」による不定期コラムコーナーです。

「ガンちゃん」
猪股岩生 ~ グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。
屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。
絵画工房gan-gan 代表。
先日、所用で新千歳空港に行く機会があり、国際線の連絡通路を覗いてみると、トリックアート絵画が通路の両側に常設展示されていて興味をそそられた。

「ガンちゃん」
猪股岩生 ~ グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。
屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。
絵画工房gan-gan 代表。
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イベント名:マジカルロード
会場:新千歳空港 連絡施設2階
会場:新千歳空港 連絡施設2階
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先日、所用で新千歳空港に行く機会があり、国際線の連絡通路を覗いてみると、トリックアート絵画が通路の両側に常設展示されていて興味をそそられた。
「トロンプ・ルイユ」(フランス語)・・・「人目を欺く(あざむく)」と意味の言葉がある。
余り好きな言葉ではないが、「だまし絵」と言えば分かりやすい。古代ギリシャ時代から使われている表現でもある。
近年はシュールレアリズムの絵画表現として使われていたが、最近はアートとしてよりもアトラクションとしての面白さと、不思議さで楽しませてくれる表現として一般化している。
その手法は様々であるが額縁の中の作品内での表現から、作品と展示空間の垣根を取り除いた表現によりその効果は際立ち、面白さも増す。
マンボウが額縁から飛び出して、ペンギンを捕まえている網も宙に浮いている様に見えるて何とも楽しい。
我々の見ている世界は「脳」がそう見せている世界である。3D映画「アバター」が大ヒットしたことを思いだす。同じ様にメガネを掛ける、青と赤の色眼鏡を利用した昔の3D映画も初めて観た時は驚いたが、その表現はより高度な最新技術によって臨場感が全く違っていた。
テクノロジーによるトリックも楽しいが、シンプルな絵画表現だけで不思議さを演出してくれるトリックアートも魅力的だ。
学生時代、エッシャーの裏と表がいつの間にか入れ替わっている不思議な階段の緻密な版画作品に魅せられ、画集を購入して飽きずに眺めていた事や、バロックを代表するイタリアの画家で建築家のアンドレア・ボッツォのイエズス教会の「ボッツォの廊下」と言われている天井の梁が飛び出して見える壮大な建築のトリックアート技法を思い出す。
奈良の大仏の頭部は体に比べ非常に大きく造られているが、下から見上げると程よいバランスに見え、これもトリックアートではないが、視覚的効果を知り尽くした先人の知恵が隠れている事を改めて感じる。
他の作品にも所々描かれているベンチは良い撮影スポットになる。
腰を屈めて位置と角度を合わせ撮影するとベンチに座っている様に見えてくる。
影が立体感を現す大きなポイントである事が分かる。
子供たちの好きなトラやキリンなどの動物も描かれているが、やはり北海道の大自然を紹介するスペースとして、壮大な風景をバックにエゾシカやキタキツネが描かれた作品は目を惹く。
丹頂の舞・・・・ 以前 釧路市丹頂鶴自然公園で間近に観た白と黒のコントラストが美しい姿を思い出す。
こちらは壁面いっぱいに泳ぐシロナガスクジラ。
大きいだけに水槽から飛び出た構図に迫力がある。一緒に泳ウミガメもアクセントになっていて楽しい。
システィーナ礼拝堂の天井画のミケランジェロが描いた「最後の審判」、修道院の食堂の壁画として描かれたダ・ヴィンチの有名な「最後の晩餐」などヨーロッパでは聖書に関わる厳粛なテーマで多くの壁画が描かれているが、近年はメキシコ壁画運動(1920~1930年)の中心的画家でメキシコ革命時代の労働者階級の苦悩を描
いた巨大壁画で知られているシケイロスなど時代背景の変化に伴いテーマも多様化し、現代では建物全体を使
って自由なテーマでペイントする「スーパーグラフィックス」としてアートとしての広がりを見せている。
その延長上に位置しているプロモーションマッピングは、既に大きなイベントでは欠かせない手法になりつつある。
壁面を利用したアートがこれからどんな手法が生まれ、進化していくのかを考えるとわくわくした気分になった。
余り好きな言葉ではないが、「だまし絵」と言えば分かりやすい。古代ギリシャ時代から使われている表現でもある。
近年はシュールレアリズムの絵画表現として使われていたが、最近はアートとしてよりもアトラクションとしての面白さと、不思議さで楽しませてくれる表現として一般化している。
その手法は様々であるが額縁の中の作品内での表現から、作品と展示空間の垣根を取り除いた表現によりその効果は際立ち、面白さも増す。
マンボウが額縁から飛び出して、ペンギンを捕まえている網も宙に浮いている様に見えるて何とも楽しい。
我々の見ている世界は「脳」がそう見せている世界である。3D映画「アバター」が大ヒットしたことを思いだす。同じ様にメガネを掛ける、青と赤の色眼鏡を利用した昔の3D映画も初めて観た時は驚いたが、その表現はより高度な最新技術によって臨場感が全く違っていた。
テクノロジーによるトリックも楽しいが、シンプルな絵画表現だけで不思議さを演出してくれるトリックアートも魅力的だ。
学生時代、エッシャーの裏と表がいつの間にか入れ替わっている不思議な階段の緻密な版画作品に魅せられ、画集を購入して飽きずに眺めていた事や、バロックを代表するイタリアの画家で建築家のアンドレア・ボッツォのイエズス教会の「ボッツォの廊下」と言われている天井の梁が飛び出して見える壮大な建築のトリックアート技法を思い出す。
奈良の大仏の頭部は体に比べ非常に大きく造られているが、下から見上げると程よいバランスに見え、これもトリックアートではないが、視覚的効果を知り尽くした先人の知恵が隠れている事を改めて感じる。
他の作品にも所々描かれているベンチは良い撮影スポットになる。
腰を屈めて位置と角度を合わせ撮影するとベンチに座っている様に見えてくる。
影が立体感を現す大きなポイントである事が分かる。
子供たちの好きなトラやキリンなどの動物も描かれているが、やはり北海道の大自然を紹介するスペースとして、壮大な風景をバックにエゾシカやキタキツネが描かれた作品は目を惹く。
丹頂の舞・・・・ 以前 釧路市丹頂鶴自然公園で間近に観た白と黒のコントラストが美しい姿を思い出す。
こちらは壁面いっぱいに泳ぐシロナガスクジラ。
大きいだけに水槽から飛び出た構図に迫力がある。一緒に泳ウミガメもアクセントになっていて楽しい。
システィーナ礼拝堂の天井画のミケランジェロが描いた「最後の審判」、修道院の食堂の壁画として描かれたダ・ヴィンチの有名な「最後の晩餐」などヨーロッパでは聖書に関わる厳粛なテーマで多くの壁画が描かれているが、近年はメキシコ壁画運動(1920~1930年)の中心的画家でメキシコ革命時代の労働者階級の苦悩を描
いた巨大壁画で知られているシケイロスなど時代背景の変化に伴いテーマも多様化し、現代では建物全体を使
って自由なテーマでペイントする「スーパーグラフィックス」としてアートとしての広がりを見せている。
その延長上に位置しているプロモーションマッピングは、既に大きなイベントでは欠かせない手法になりつつある。
壁面を利用したアートがこれからどんな手法が生まれ、進化していくのかを考えるとわくわくした気分になった。
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ガンちゃん こと 猪股岩生