[bisen-OB ガンちゃんのアート探訪]第91回道展
bisen-OB会会員「ガンちゃん」による不定期コラムコーナーです。

「ガンちゃん」
猪股岩生 ~ グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。
屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。
絵画工房gan-gan 代表。
本日は雪のちらつく中、頂いた招待券にて残り会期もわずかになった第91回道展を札幌市民ギャラリーにて鑑賞させて頂きました。

昨年は節目の90周年を迎え、今年は100年に向かって進む一歩になる道展は北海道の美術シーンの方向性を感じ取れる大きなアートイベントだと改めて思う。多くの作品に目が止まりましたがごく一部の作品のご紹介になる事をお許し下さい。
いつもながら、この記事は評論ではなく、思いつくままの一個人の感想録です。

私の生まれ故郷 室蘭の測量山の眺望を描いた作品。吸い込まれる様に作品に目が行く。
室蘭の少し凍てついた空気感を感じる冬景色・・・住んでいたからこそ分かる不思議な懐かしさを感じた作品。

絵画、彫刻、工芸 具象、抽象、現代的、古典的・・・・様々なスタイルの作品を楽しむ事が出来るのも道展の魅力の一つだと思う。

bisen職員で道展会員の寺島寛之さんの作品。
女性をモチーフにした作品を多く描かれている。緻密さと同時に柔らかさを感じる筆致が印象的。
札幌芸術の森の砂澤ビッキの作品「四つの風」を思い出す。
5、6年ほど前に4本の内2本が腐食で相次いで倒壊したが、ご本人の遺志を尊重して倒壊後もそのまま展示された姿をみて地上にある全てのものは例外なく自然に回帰する・・・
そう伝えたかったのだろうかと改めて感じた事を思い出す。
北海道の冬景色・・・奇を衒らわず堅実な表現に好感を覚える。晴れ間から雪に覆われた道路に影を落とす街路樹。
新雪を感じる雪の輝きと空気感が伝わってくる作品。
動物を題材にした2作
どこか人間的な哀愁と愛らしさすら感じる表情が印象的。ゆったりした時間の流れに身を委ねる心のゆとり・・・・大切な何かを思い出させてくれる作品。
シンプルなフォルムでありながら鑑賞者の立ち位置で様々な表情を見せられるかが立体造形の難しさでもあり楽しさでもあるのだろうと思う。
学校の教室なのだろうか?窓から陽光が差し込むがらんとした木造の部屋で大きなキャンバスに向かい凛とした姿勢で真摯に自画像を描く姿が清々しさを感じる作品。
一瞬メキシコの壁画画家シケイロスの作品を彷彿させる作品。強い輪郭と人々の視線、見下ろす構図に勢いを感じた。
陶芸作品に目が止まる。
川面の上の月を抜き込む事で造形としての面白さを感じる。置かれている場所が変われば抜かれた月の部分が様々な表情を見せるだろうと想像する。
bisen31期で道展会員の野沢 桐子さんの作品。
ロマン派の巨匠ドラクロアを思わせる明暗の効いた表現と引き締まった人物の表情が印象的。
丹念に描かれた植物描写が印象的な作品。
細かな植物描写は時としてうるさい描き込みに感じる事があるがこの作品は全体に調和していて美しい。左下の小枝に止まる瑠璃色の小鳥がアクセントになっている。
bisen1期生で道展会員の千葉 晃世さんの作品。
水辺に鎮座する石を描いた作品。手法は違うが昨年の樹木を描いた作品同様にシンプルな構成の中に独自のリアリティーを感じられた。
今回も彫刻や工芸なども含め多様性に富んだ見応えがある楽しい展覧会でした。

「ガンちゃん」
猪股岩生 ~ グラフィック専攻の9期卒業生。画家/造形デザイナー。
屋外造形物、建築、景観の造形プランナーをはじめ、ホームページ制作、CI構築代行と幅広く活動。また、北海道の自然をテーマにした風景画を描き続けている。
絵画工房gan-gan 代表。
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第91回道展
会場:札幌市民ギャラリー(札幌市中央区南2条東6丁目)
開催期間:2016年10月19日(水)~11月6日(日)
開催期間:2016年10月19日(水)~11月6日(日)
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本日は雪のちらつく中、頂いた招待券にて残り会期もわずかになった第91回道展を札幌市民ギャラリーにて鑑賞させて頂きました。

昨年は節目の90周年を迎え、今年は100年に向かって進む一歩になる道展は北海道の美術シーンの方向性を感じ取れる大きなアートイベントだと改めて思う。多くの作品に目が止まりましたがごく一部の作品のご紹介になる事をお許し下さい。
いつもながら、この記事は評論ではなく、思いつくままの一個人の感想録です。

私の生まれ故郷 室蘭の測量山の眺望を描いた作品。吸い込まれる様に作品に目が行く。
室蘭の少し凍てついた空気感を感じる冬景色・・・住んでいたからこそ分かる不思議な懐かしさを感じた作品。

絵画、彫刻、工芸 具象、抽象、現代的、古典的・・・・様々なスタイルの作品を楽しむ事が出来るのも道展の魅力の一つだと思う。

bisen職員で道展会員の寺島寛之さんの作品。
女性をモチーフにした作品を多く描かれている。緻密さと同時に柔らかさを感じる筆致が印象的。
札幌芸術の森の砂澤ビッキの作品「四つの風」を思い出す。
5、6年ほど前に4本の内2本が腐食で相次いで倒壊したが、ご本人の遺志を尊重して倒壊後もそのまま展示された姿をみて地上にある全てのものは例外なく自然に回帰する・・・
そう伝えたかったのだろうかと改めて感じた事を思い出す。
北海道の冬景色・・・奇を衒らわず堅実な表現に好感を覚える。晴れ間から雪に覆われた道路に影を落とす街路樹。
新雪を感じる雪の輝きと空気感が伝わってくる作品。
動物を題材にした2作
どこか人間的な哀愁と愛らしさすら感じる表情が印象的。ゆったりした時間の流れに身を委ねる心のゆとり・・・・大切な何かを思い出させてくれる作品。
シンプルなフォルムでありながら鑑賞者の立ち位置で様々な表情を見せられるかが立体造形の難しさでもあり楽しさでもあるのだろうと思う。
学校の教室なのだろうか?窓から陽光が差し込むがらんとした木造の部屋で大きなキャンバスに向かい凛とした姿勢で真摯に自画像を描く姿が清々しさを感じる作品。
一瞬メキシコの壁画画家シケイロスの作品を彷彿させる作品。強い輪郭と人々の視線、見下ろす構図に勢いを感じた。
陶芸作品に目が止まる。
川面の上の月を抜き込む事で造形としての面白さを感じる。置かれている場所が変われば抜かれた月の部分が様々な表情を見せるだろうと想像する。
bisen31期で道展会員の野沢 桐子さんの作品。
ロマン派の巨匠ドラクロアを思わせる明暗の効いた表現と引き締まった人物の表情が印象的。
丹念に描かれた植物描写が印象的な作品。
細かな植物描写は時としてうるさい描き込みに感じる事があるがこの作品は全体に調和していて美しい。左下の小枝に止まる瑠璃色の小鳥がアクセントになっている。
bisen1期生で道展会員の千葉 晃世さんの作品。
水辺に鎮座する石を描いた作品。手法は違うが昨年の樹木を描いた作品同様にシンプルな構成の中に独自のリアリティーを感じられた。
今回も彫刻や工芸なども含め多様性に富んだ見応えがある楽しい展覧会でした。
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ガンちゃん こと 猪股岩生