模写したあと何をする?練習を自分のイラストにつなげる3つの考え方

模写したあとは、見本と似ているかを見るだけでなく、「何を練習したのか」「どの線が何を表しているのか」「次にどこを直すのか」を一つずつ確認します。

私は子どもの頃、ドラゴンボールの絵を何度も模写しましたが、完成後は「似ている」「何か違う」と感じるだけで終わっていました。

そこで今回は、最近描いた着物姿の青年のイラストを見本と比較しました。すると、顔の位置は見本を参考にできても、表情を変える段階では口角の上げ方に迷っていたことが分かりました。

この記事では、実際に試した「目的の確認」「線の意味の確認」「完成後の比較」という3つの振り返り方と、分かったことを次の模写や自分のイラストへつなげる方法を紹介します。

目次

昔の模写は似ているかだけを見ていた

子どもの頃は、ドラゴンボールのキャラクターを描くのが好きでした。

気に入った絵を見つけると、紙に何度も描いてみる。顔や髪の形が少し似てくるとうれしくて、また別の絵を真似していました。

当時は、模写そのものが楽しかったんです。

ただ、描き終わった絵をどう振り返っていたかというと、ほとんど「似ているかどうか」だけ。顔のバランスが違っていても、どこを直せばよいのかまでは考えず、なんとなく違うと思いながら次の絵を描いていた気がします。

もちろん、好きな絵を真似して楽しむことにも意味はあります。私も、その楽しさがあったから何度も描いていました。

でも今は、模写で覚えたことを自分のイラストにも使ってみたいと思っています。そう考えると、描き終わったあとの見方も少し変えたほうがよさそうです。

参考にした「なつめさんち」チャンネルの動画「結局『模写』って意味あるの?【初心者向けお絵描き・イラスト講座】」では、げんさんとさやさんが、模写の目的を決めることや、描いた絵を分析する必要性について話しています。

その内容を聞き、子どもの頃の私は描くことに夢中で、何を覚えたのか確かめるところまでは進んでいなかったと気づきました。

この記事では、動画の内容をそのまま紹介するのではなく、私が描いた着物姿の青年のイラストに当てはめ、完成後に何を確認できたのかを整理します。

模写したあとに実践した3つの振り返り

模模写を終えたあと、すぐに次の見本を探すのではなく、一度描いた絵を振り返りました。 今回実践したのは、次の3つです。 – 最初に何を練習したかったのか確認する – 見本の線が何を表しているか考える – 見本と比較して、次に直したいところを一つ決める どれも特別な道具は必要ありません。描き終わった絵と見本を並べ、気になった部分を確認しました。

① 最初に決めた練習目的を振り返る

好きな絵を見つけると、まずは全体を描いてみたくなります。

でも、練習として模写するなら、「今回は何を覚えたいのか」を一つ決めておくと、完成後にも振り返りやすくなります。

参考動画では、りんごを例に、形を学ぶ場合と、みずみずしさの表現を学ぶ場合では見るところが変わると説明されていました。

人物でも同じです。

たとえば、正面の顔を描くなら、目と口の高さを確認する。髪を練習したいなら、大きな束がどの方向へ流れているかを見る。

全部を一度に覚えようとすると、描き終わってから何を確認すればよいか迷ってしまいますよね。

最近描いた人物画では、「無表情に近い見本から、口元だけを変えて微笑ませること」を練習目的にしました。

完成後に見本と比べると、最初は口角を上げすぎて、想定より明るい笑顔になっていました。そこで口角の上がり方を弱め、口の線も短くしています。

目的を先に決めていたため、顔全体が似ているかどうかではなく、口の幅と口角の位置に絞って比較できました。

練習の目的を一つ決めておくと、完成後に何を比べればよいかも分かりやすくなります。

② 線が何を表しているか考える

二つ目は、見本の線をそのまま写すだけでなく、何を表しているのか考えることです。

参考動画では、鎖骨を表す線や服のしわが例に挙げられていました。

人物の絵に短い線があったとして、それが骨の形なのか、服の折れ目なのかで意味は変わります。

模写していると、どうしても線の位置や長さを合わせることに集中します。でも、その線が必要な理由まで考えられると、別のポーズを描くときにも役立ちそうです。

着物を描いたときは、最初に襟の線だけを見本どおりに入れました。しかし、その線が何を表しているか考えずに描いたため、左右の襟が重なって見えず、服が平面的になりました。

見本を見直すと、襟の線は単なる模様ではなく、手前にある布と奥にある布の境目でした。そこで重なっている側へ暗い色を加え、肩へ続く線も確認しています。

線の位置だけでなく、その線が布の境目なのか、しわなのかを考えることで、どこに影を加えるかも決めやすくなりました。

すべての線を専門的に説明できる必要はありません。分からない線を一つ見つけて、何を表しているのか考えるところから始めたいと思います。

③ 見本と比べて次の課題を一つ選ぶ

三つ目は、描き終わった絵を見本と並べて比較することです。

これは少し気が重い作業でもあります。描いている間は似てきたと思っていても、横に並べると顔の幅や目の位置が違って見えることがあります。

昔の私は、そこで「なんか違う」と思って終わっていました。でも、それだけでは次に何を練習すればよいのか分かりません。

今回は、完成した青年のイラストと見本の写真を並べ、できた部分と気になった部分を一つずつ確認しました。

できたと判断したのは、顔と肩のおおまかな位置です。見本を確認しながらラフを描いたため、正面を向いた上半身の形は大きく崩れずにまとめられました。

一方、気になったのは口元です。最初は口角を上げすぎて、想定していた「わずかな微笑み」より明るい表情になっていました。

そこで今回の振り返りを、次のように整理しました。

比較した結果次に確認すること
顔と肩の位置は見本を参考にできた次の人物画でも最初に顔と肩の位置を取る
口角を上げすぎて明るい笑顔になった微笑みと無表情の口角の差を比べる
口の線を短くすると印象が変わった口角だけでなく口の幅も確認する
着物の襟が平面的に見えた布の重なりと影の位置を見る

一度にすべてを直すのではなく、次の課題は「無表情と微笑みで、口の幅と口角がどう違うかを確認する」に絞りました。

違いを一つ選び、次に確認する場所を具体的にすると、「何か違う」という感想を次の練習へつなげやすくなります。

模写で学んだことを自分の絵に使ってみる

模写後の振り返りに加えて、見本から学んだ形を使いながら、表情の一部を自分で変えて描きました。

今回は、無表情に近い写真を見本にして顔の位置を取り、口元だけを微笑みに変更しています。すべてを一から考えたわけではありませんが、一部分を変えるだけでも、見本を写すときにはなかった判断が必要になりました。

表情を一つ変えるだけでも難しい

完成後に無表情の見本と自分の絵を比べると、変更したのは口角だけではありませんでした。口の線を短くしたことで、顔全体の印象も変わっていました。

この比較から、表情を変えるときは「口角を上げる」とだけ覚えるのでは不十分だと分かりました。口の幅や線の角度も含めて観察する必要があります。

そこで次の課題を、「笑顔を描く」ではなく「無表情と微笑みで、口の幅と口角がどう違うかを確認する」と具体化しました。

見本を見て顔の形を描くことと、見本にはない表情を自分で決めることは別の作業です。模写後に比較したことで、「表情が難しかった」という感想を、次に確認できる課題へ変えられました。

この経験から、模写で形を覚えたつもりでも、自分で変えようとすると迷う部分があると気づきました。でも、そこで迷ったこと自体が、次に何を練習したいか考えるきっかけにもなります。

私の場合は、口元の形と表情の関係です。

次に模写するときは、微笑んでいる顔と無表情の顔を見比べて、どこが違うのか確認してみたいと思っています。

できたことは創作へ、苦手なことは次の模写へ

模写だけを続けていると、見本がないと描けないのでは、と気になることがあります。一方で、最初から全部自分で描こうとすると、分からない部分が多くて手が止まることもありますよね。

参考動画で紹介されていた、模写と創作を並行して進める考え方は、そんなときに取り入れやすい方法だと思いました。

模写で髪の流れを理解できたなら、自分のキャラクターの髪にも使ってみる。服のしわが分かったなら、別の服を描くときに試します。

反対に、よく分からなかった部分は、次の模写で確認します。

私なら、表情を変える練習を続けたいです。まずは正面の顔で、口元だけを変えてみる。そこで難しかったところがあれば、表情の分かりやすい見本を選んで模写する。

それを繰り返しながら、少しずつ自分で決められる部分を増やしていきたいと思います。

模写で分かったことは自分の絵へ使い、分からなかったことは次の模写で確かめる。

この行き来なら、好きな絵を真似する楽しさも、自分で描く楽しさも残せそうです。

まとめ

模写したあとに大切なのは、見本と似ているかを確かめるだけで終わらせないことだと思います。

今回、着物姿の青年を描いたあとに実践したのは、次の3つです。

  • 目的を振り返る:何を学びたかったのか、描いたあとに確認する
  • 線の意味を考える:形を写すだけでなく、何を表しているか見直す
  • 見本と比較する:できた点と気になる点を一つずつ選び、次の練習につなげる

そして、学べたことは自分のイラストで試し、苦手な部分は次の模写で練習します。

子どもの頃は、ドラゴンボールの絵を何度も描きながら、似ているかどうかばかり気にしていました。それはそれで楽しかったのですが、今なら描き終わったあとに、もう少し絵を眺めてみたいです。

次の一枚では、何を変えてみようか。

そんなことを考えながら模写を続けられたら、練習も今までとは少し違ったものになりそうです。

参考にした動画:

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